住宅市場における新築物件の人気には根強いものがありますが、近年では中古物件をリノベーションしてこだわりの住空間を実現するという生活スタイルも人気を集めています。あらかじめリノベーションしたうえで売りに出される物件も多く見られます。
リノベーションとは簡単に言えば住宅等の建築物に対する改修工事のことですが、同じような意味を持つ言葉にリフォームがあります。両者の違いは、リフォームの方が傷んだ箇所を修繕したり古くなった設備を新しくしたりといった、どちらかというと物件を新築当時の状態にまで戻すというニュアンスがあるのに対し、リノベーションは改修によって新たな価値を付加するという意味合いを持っています。そのため、工事の規模もリフォームより大がかりになることが多く、内壁を取り払ったり新たに取り付けたりして間取りを根本的に変更したり、床面積を増やしたりすることもできます。つまり、注文住宅を新築するのに近い感覚で設計できるのです。
自分でリノベーションをする、いわゆるセルフリノベーションをする最大のメリットは、とことん自分好みに仕上げることができるところにあります。どんなに綿密に相談しても業者にリノベーションを依頼した場合、完成した姿がイメージと違っているリスクは避けられません。特に自分の中の頭の中のイメージを第三者と共有することは難しいため、そのズレはどうしても生じがちです。一方で、自分でそのすべてを行えばそのようなことはありません。また、必要となるのは基本的に材料費だけなので費用を抑えられる点もメリットです。加えて、作業を通してさまざまな技術や知識を習得できる点も魅力と言えます。
ただし、その分時間や労力がかかります。さらに、難易度の高いリノベーションを行おうとした場合自分の技術がそれに見合っていないと完成後、故障などの不具合が生じるリスクがある点にも注意が必要です。無理のない範囲で作業は行うようにするのがおすすめです。